《SHOW》東京セレソンDX / 流れ星
東京セレソンDXの2006年本公演はコレだけ(お正月のはア・ラ・カルト公演、になる)だそうで、行く気満々、でも何だかいろいろ立て込んでいて、結局私が観たのは千秋楽eve.の20日のソワレ。
仕事終わりで会場に着いたのが、開演15分前。
なのに、中野の住宅地の、あの小屋の周りには人がいっぱい。
私はチケット持ってたのでスイスイ入りましたが、あの人たちは当日券待ちの人たちだったのかしら?
場内は男女半々くらい、でも
前回同じ小屋で観たときよりも気持ち年齢層が高め、でした。
客演の方のファンの方々だったんでしょうねえ。
今回の前説は、下宿屋の食堂で、夜中に麻雀をする、というシュチュエーション。
毎度よく考えるもんです。
客電が点いていて、まだ人の出入りがあるなか、本編の出演者による小芝居はちょっ不思議な感じ。
本編用の着替えとかメイクとか、スタンバイもあるでしょうに──たとえ前説の小芝居も本編の一部として考えているんだとしても、段取り増やしてどーするよ(苦笑)、と正直私は思う。
いえ、お客さんとしては楽しいからいいんだけど(笑)。
そして、本編。
すっかり仲が冷え切った、下宿屋を営む熟年夫婦。
ある日夫が外出先で倒れ、意識が戻らないまま他界してしまう。
夫が亡くなり10日、お葬式やら何やらが片付いた妻のもとに魔法使いが現れて「4つの願いを叶えましょう」と言う。
妻は、夫に騙されて結婚した、結婚前の自分には好きな人がいて、その人と人生をやり直したい、あの時代に連れて行け、と言い、魔法使いは彼女をその時代に連れて行く。。。
脚本・ストーリーの組み立てが、やっぱり巧い。
登場人物の設定やひとつひとつのエピソードが緻密、シーン毎に都合よくブレたりすることがないので、観るこちらも集中出来る。
伏線の太さ、というか、オチに向かってうっすらと匂わせる、その匂わせ方も絶妙で、「それで?それで?」と物語に引き込まれる。
勿論、伏線の整合性もいい感じ。
当時に戻って、いろんなエピソードがある中で、魔法使いと夫(となる人)が“魔法使い”を呼ぶ方法の話をする。後年彼がそれを行うと、くだんの魔法使いが彼の元に現れて「あなたの願いをひとつ叶えましょう」と言う。あなたが魔法使いだったのか、と彼は驚くが、「自分は妻の幸せのために何もしてやれなかった。自分が死んだら、10日後に妻の元に現れて妻の願いを4つ叶えて欲しい」と願い、魔法使いがそれを叶える。
ラストに向けて、その種明かしがされて、私は号泣しながら唸りました(笑)。
しかも、結婚前の妻が夫にプレゼントしたレコードのタイトルが《四つのお願い》だったから、という細かさで恐れ入る。
この公演を観て、東京セレソンDXは日本語がすごく、ちゃんとしている、と改めて思った。
劇中、「その言い回しは違うな」とか「意味判んない」「その台詞必要ないよね?」と感じるものが全くない。
言葉なんて時代と共に淘汰されていくものだし、人によって解釈が違ってくるものではあるけれど、“最大多数の最大公約数”的に、性別や年代・職業なんかが異なる人たちが観ても、作家が意図しない解釈はされないだろう、という言葉の選び方をしているように思う。
あれだけ幅広い年齢層のお客さんが、程度の違いはあっても、笑いどころで笑い、泣きどころで泣くって、他では私はあまり経験がない。
作家・演出家のセンスなのか、意識してるところなのかは判らないけれど、そういう仕上がりになっているのは素晴らしい、と私は思う。
あ、役者さんたちの技量も言うまでもなく、です。
2006年05月23日 SHOW トラックバック:0 コメント:0