《BOOK》ウィリアム・ゴールディング / 蝿の王
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ノーマンズ・ランド]って映画があって、[蝿の王]の読後感は、[ノーマンズ・ランド]を観た後に感じた疲労感に近い。
ヨーロッパの人って、戦争についての物語には徹底的だよなあ、と思う。
[十五少年漂流記]と比べられることが多いみたいですが、私は[十五少年漂流記]のディティールをよく憶えていません。
ただ子供たちが予期せぬトラブルで南の島に流れ着き、救助されるまでの物語という骨組みは一緒なのかな。
でも[蝿の王]は怖い。
ひたひたと侵食されるように、狂っていく。
誰が悪い、というものではなくて、人間が持っている狂気の可能性が増幅されていく。
大人だったら、狂うまでもっと早いのかな、もっと劇的に狂うのかな。
あ、そう言えば、宗教的な話題がなかったな。
宗派はともかく、キリスト教の国(なんて大雑把)の大人だったら良かれ悪しかれ、思考がキリスト教色を帯びるはずだけど、子供たちの話のせいか全くない。
しかし、子供だって「うちに帰りたい」と祈ることはあると思うんだけど。。。
宗教的な価値観が語られない、ということでは日本人にも読みやすいかも。
でも、言い回しが若干難解なのが惜しい。
重厚、というのとはちょっと違う難解さなんだよなあ。
翻訳文学は難しい。
新潮文庫の装丁の画は、池田満寿夫でした。
スタイリッシュです。
2005年08月21日 BOOK トラックバック:0 コメント:0