《SHOW》TEAM NACS / COMPOSER
初めて、TEAM NACSの公演を観た。
愛される理由が分かった気がした。
東京の券売が終わってからの、特にここ1ヶ月くらいの大泉洋の露出など、公演プロモーションのプランにいささか──というかとても疑問はあるんですが(所詮アミューズの宣伝方法なんて殿様商売ですし、ね。多分パッケージ、というかバーターであの程度の露出が組めちゃうんですよね。)、今作の東京初演は大盛況でした。
私が観たのは、東京公演初日のマチネ。
もっと勢いで押し切っちゃうような、シナリオ・演出・芝居なのかな、と思ってたんですが、全然違いました。
シナリオはすごく練られていて、プッと吹き出してしまうようなところが伏線として活かされていたり、動きにもロスがない。アドリブというものがほとんどないんじゃないか?、というくらいタイト。アドリブで遊び始めると、全体の印象がルーズになっちゃう(と私は思う)んで、このタイトな感じにまず好感が持てた。
で、また個々のお芝居が足腰が強い感じがして、“意外と”良かったんです。
オンステージの時間がもっとも長い(ように思った)大泉洋は重厚、佐藤重幸は役柄的にも若造の直球な居ずまい、音尾琢磨は演じる複数の役の演じ分けが滑らかで、舞台廻しとなる森崎博之の場面ごとの濃さ/薄さの使い分け、そして安田顕のキワモノぶり。
これは全員が演じることが好きなんだろうな、とNACS初心者にも分からせるのに充分でした。ただ、シナリオ/演出的に、キャストがすべて10年来の付き合いの身内だから上手く形になっているという部分は絶対にあると思われるんですね。シナリオもあてがきされたものだろうし、芝居の組み立ても手練手管を知り尽くした者を相手にしてやっているのだから。
ここが終の棲家となるであろう、でも今後も鍛錬は続けて欲しい、と思う。
にしても、大泉洋は良かったです。
私の単なる偏見で、もっと軽いのかと思っていた(声が高いせい???)んですが、いやいやどうして。私、泣いてしまいましたよ、良くて。車椅子のカールにトランペットを持たせるシーンと、その後に大泉洋扮するベートーヴェンがタクトを振るシーン。
ただ、俳優;大泉洋はもっと出来ると思うんですよね。何かきっかけがあればもう一皮剥くことが可能なのでは、と。
私が大泉洋に興味を持ったのはここ1年の話なので、ひょっとしたらどこかでご本人の発言があったかも知れません(ご存知のかた、遠慮なくご指摘下さいませ)が、彼はクレバーかつ冷静なんでしょうね。生でお客さんを前にしても、シナリオがあることで自分が演じていることを他人事のように俯瞰で見ることが出来る体質、とも言い換えることができる、というか。それが出来るのは悪いことではなくてむしろいいことなんだけど、それをお客さんに気づかせちゃいけないんですよね。それが気づかれるってことは集中してないように見える、ってことだから。今回の公演を拝見して、大泉洋が乗り移られたような、もっともっと入り込んでなりふり構わずな芝居していたら、私は号泣していたと思う。
そしてそして、衣裳が良かった!靴以外は仕立てた(もしくはありものをもの凄く直した)んだろうな〜、と思うものばかり。パンツの裾や、ジャケットの襟や袖、後姿のシルエットなど、みんながそれぞれスタイルがよく見えるようにしてあった。私も一応、ステージ/スチールのスタイリングをやっていたことがあるので、その小技その素晴らしさには脱帽、です。勉強になりました!
とくに、フランツのロングジャケット(コート、というべき?)。形はクラシック風だけれど、色味の扱い、大柄ではない俳優の身体特徴を美点──キャラクターを際立たせる逸品というとして観せていたのは見事。
ベートーヴェンの紺の別珍のタックスも仕立てが良くてステキ(燕尾を着るには若干華奢かと思われる俳優もガッツリ着ていた)でしたが、歓喜の歌のコンサートホールでタクトを振るシーンでは、一世一代の一張羅、という発想で別物を用意したほうがお客さんは昂ぶるんじゃないだろうか?あ、これはスタイリングの問題ではなくて、演出部の問題ですね。
あと、モーツアルトの衣裳もいいですね!外のパターンナー、お針子を使ったら、材料費がこれくらいで。。。とそろばんを弾いてしまいました。ジャケットのみで、12〜5万くらいかな。パンツはジャケットと別素材でしたもんね。私のなかで、モーツアルトは映画《アマデウス》のものなので、私がスタイリストなら、彼の子供心、恨みつらみ妬みをもつ幼さの象徴として水色を基調にすることを推すなぁ、と。ただ照明のことを考えると赤味を含んだ色を使ったほうが、都合がいいのかも。
唯一、ダメだしをするポイントは音響。
いわゆる2MIXされた音源を使っていたかと思うんですが、これだけクラッシック音楽(アレンジされたものも含めて)を使うんだったら、もっと位相を演出に活かすとか、各楽器の音が際立って聞こえるように、卓でコントロールすればいいのに、と思った。PAの技術的な問題なら、MIXでその音源を作ってしまえばよかった訳で。スピーカーの数でも聞こえ方が変わってくるけれど、スピーカーを持ち込める数が限られていたのなら、せめて常設の設備がいいところで、鳴りのいい小屋(壁とか造りで、ね)でブッキングするべきだったのでは、と思う。
都内ならアートスフィアは内装もオペラハウスっぽくて、音もいい。コクーンも悪くない。博品館や三軒茶屋のパブリックシアターはPAの技術が多少いるか?
いずれにしても、名曲を扱うには少なからずお粗末な印象を受けた。
8月の最終公演までロードは続く。おそらく、まだまだシナリオの加筆修正が続くだろう。
キャスト、スタッフの皆さんが無事千秋楽を迎えられることをお祈りします。
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TEAM-NACS COMPOSER ~響き続ける旋律の調べ
9月2日、TEAM NACS全国公演[COMPOSER〜響き続ける旋律の調べ]クローズドサーキット、東京/日比谷公会堂に行って来ました。
恐ろしくミーハーな目線で観てしまい、こちらに書くのはどうかと思ったので、
あちらにちょこっと書いてます。
2005年09月08日 SHOW トラックバック:1 コメント:0